集会祈願
🌸 第一朗読 (雅歌2:8-14)
雅歌
8恋しい人の声が聞こえます。
山を越え、丘を跳んでやって来ます。
9恋しい人はかもしかのよう
若い雄鹿のようです。
ごらんなさい、もう家の外に立って
窓からうかがい
格子の外からのぞいています。
10恋しい人は言います。
「恋人よ、美しいひとよ
さあ、立って出ておいで。
11ごらん、冬は去り、雨の季節は終った。
12花は地に咲きいで、小鳥の歌うときが来た。
この里にも山鳩の声が聞こえる。
13いちじくの実は熟し、ぶどうの花は香る。
恋人よ、美しいひとよ
さあ、立って出ておいで。
14岩の裂け目、崖の穴にひそむわたしの鳩よ
姿を見せ、声を聞かせておくれ。
お前の声は快く、お前の姿は愛らしい。」
🌸 答唱詩編 詩編33 典46 ③⑤
アレルヤ唱 典257(12月21日)
🌸 福音朗読 (ルカ1:39-45)
ルカによる福音
39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。 40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。 41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、 42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。 43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。 44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。 45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」
奉納祈願
拝領祈願
🌸 分かち合い
マリアとエリサベトという、この上ない恵み、同時に、大きな秘密をもってしまった女性の出会い。年老いて身ごもることを告げられたエリサベトと、一緒になる前にはらんでしまった乙女マリア。だれとも分かち合うことのできない状況に置かれた二人の対面。
若いマリアが、親戚であり、大先輩であるエリサベトに尊敬の心のこもった挨拶の言葉をかける。エリサベトが答える前に、「胎内の子が躍った」、という。何ということか。そして、その子の動きに呼応するかのように、エリサベトは大声で言う、「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子様も祝福されています、」と。自分の喜び以上に、神から類まれな恵みを受けたマリアのことを喜ぶエリザベト。自分の受けた恵み、その恵みを遥かに上回る恵みを受けた方が、ここにいる。そして、その喜びが、まさに、神と人を結ぶ神の子の母となる恵みから来ることを悟り、「わたしの主のお母様がわたしのところに来てくださるとは、」と続けます。
恵みは、決してそれを受けた人一人のものではない。神は、一人の人を通して多くの人に恵みを施される。その恵みを誰かと分かち合い、共有すること、これは、まさに、人間にとって欠かすことのできない、深い充足感と喜びの源となる体験である。その経験が著しく阻害される現代社会に生きる人間、特に、コロナに対する警戒のあまり、そうした貴重な体験を奪われた子どもたち、また、大人たちに、近づくクリスマスと正月休暇が、それを回復し、真の喜びを共有する恵みの日々となることを祈ろう。(S.T.)